Blue Moon
奥に入っていくと大きな屋敷が見えてきた

入口のまえに誰か立っている

誰だろう...?

ここのお偉いさん??

「おかえりなさいませ、若。
それとお待ちしておりました神咲月海さん」

「ただいま、秋。」

「え、どうして名前を?」


私は名乗っていない、寧ろ初対面だ。
でも、黒崎さんには劣るけどこの人もきっとイケメンの分類に入るんだろう。

「先程、若から事情は聞きました。
私は黒崎組若頭側近の東雲秋です。」

「 神咲月海です、突然お邪魔してすみません。」

「いえいえ、貴方のことは先程、若に聞いておりますのでお気になさらず。

立ち話も何ですしどうぞこちらへ。」


いつの間に…。

どうやら黒崎さんは私のことを秋さんに既に伝えているらしい。

本当に行動力のある人だ

「お邪魔します……。」

「そないなかしこまらんでもええのに」

「そういう訳には...だって助けてもらった身ですし」

そうだ

私は助けてもらった身
こんないい人たちに優しくして貰える価値なんてない。

私は汚れている……。

いきなり両頬に温かみを感じる

「また、下向いてる。
そんなに足元みてたらあかん。
しっかり前だけみて堂々としてたらええ」

私の目を真っ直ぐみて真剣な表情で言う黒崎さん。

「すみません……。」

「謝るんやったら お礼いってほしいわ」

「ありがとう...ございます」

私が言い直すと本当に嬉しそうな顔をして頭を撫でる黒崎さん。
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