Blue Moon
「それが聞けたらもうええわ。」

夜さんはゆっくり立ち上がる


「でも、安心したらあかんで。
月海ちゃんにした事の償いはしっかりしてもらうからな。」


夜さんは上から父を見る


「......っ!」


「ね、ねぇ!」

今まで黙っていた奈々が夜さんに話しかける

「なんや。」

「お姉ちゃんを連れていくなら私も連れて行って!」


お得意の涙目で言う奈々

「...は?」


「だって...お姉ちゃんと離れるのなんて嫌なんだもん。

それに...私!
お姉ちゃんの隣にいる人に一目惚れしちゃったんです!」


ポロポロ涙を流す奈々。

黒崎さんに駆け寄って上目遣いでみる


「...駄目ですかぁ?」


黒崎さんの服の袖をキュッと握る奈々


「触んなや。」


「...えっ」


「聞こえへんかったんか?
その汚い手を離せって言うたんや。」


今まで見たことなかったような冷たい目。


「ど、どうして?!

そんな奴より奈々のほうが可愛いじゃない!」


奈々の本性が出る

真っ赤な顔で怒る奈々。




< 96 / 159 >

この作品をシェア

pagetop