あなたの背中に恋してる~奥手な男子の攻略法~

探し出した私の荷物は、置きっぱなしの部屋着、洗面のセットみたいな小物ばかり。大したものはない。


「これだけなら、処分してもらえばよかったかな…」


私の感想を聞いて、早坂さんは、落胆した様子でいう。

「荷物なんて、口実さ。友芽…君は、俺に少しは会いたいと思ってくれた?」


「会いたかった?今さらそんなこと言ってどうするんですか?あっさり、別れるって言ったの早坂さんの方です」


「違う。あっさり決めたわけじゃない。君のためには…その方がいいと思って」


「もう、遅いです。がんばって一人で大阪に行ってください」
私は、無造作にこの部屋に残された残骸をごみの袋に入れる。


「ここで、荷造りしてると、友芽のそばから離れたくないなって思う」


「遅いです。あなたは。どうして私がそういう気持ちでいるときに答えてくれなかったんですか」
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