ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―


バタバタと家の中を駆けまわっていると家のチャイムが鳴った。


―ピンポーン


「あら、咲夜くん!久しぶりねぇ!」


「おー陽和ママ久しぶり!相変わらず美人だなー、俺の母さんなんか……。」


「あらやだ~、咲夜くんは相変わらず口が上手ねぇ。玲ちゃんもまだまだ若いじゃない!」


2人がそんな会話をしているのが聞こえた。


玲ちゃんって言うのはさくちゃんママの事。

南 玲奈(ミナミ レイナ)って名前でさくちゃんのママだけあってすっごく美人さんなんだ!

準備が終わった私は急いで玄関まで行った。


「さくちゃん、おはよっ!」


「おう!じゃあ陽和ママ、またうちの母さんとも遊んでやってよ!」


「ふふっ、もちろんよ。今日はデートかしら?」


お母さんがにやにやしている。


「あれ?陽和ママ知ってたんだ?」 


「だってこの子いつも家で咲夜くんの話してるのよ~。」


「ちょ、お母さん!!!変なこと言わなくていいから!!!もう!行ってきます!」


グイグイとお母さんの背中を押して、玄関のドアを閉めた。


「早く行こ、さくちゃん!」


さくちゃんを見ると、にやにやしている。


「な、なに?」


「家で俺の話ばっかしてるんだ?」


あ、さっきの!!!!!


「も、もうさくちゃんまで!!その話は終わり!!」


「えー、まぁいっか。ほら、早く行こーぜ!」


そう言って自然に私の手を取って、恋人繋ぎをくれる。


前に私が恋人繋ぎをしている人を見て羨ましそうに見ていたらさくちゃんもしてくれるようになったんだ。


そういう小さなところもちゃんと見てくれてる事がすごく嬉しい。
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