ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―
「さくちゃん、今日はどこ行くの?」
「んー、秘密。」
さくちゃんがにやっと笑った。
「えー、なんでー!」
「まぁまぁ、楽しみにしといて。」
んー…さくちゃんがそう言うならお楽しみって事で!!
「え、電車乗るの?私カード持ってこなかった!」
さくちゃんを頼りに歩いていると駅についた。
「そ。はい、切符買っといた!」
え、いつの間に!?
「え、お金!」
「いーよ、これくらい。彼女なんだから奢られとけ。」
そう言って私の頭にぽんと手を置いた。
「あ、ありがとっ!」
「おう!」
私達は電車に乗った。
さくちゃんはどこまでもかっこいい。
こんな人が彼氏なんて……正直私にはもったいないくらいだよ……。
「陽和…お前今なんか変な事考えてるだろ。」
「へ!?なんで!?」
「お前の顔見てれば何考えてんのかくらいすぐわかる。何年幼なじみやってると思ってんの?」
さくちゃんには敵わないなぁ……。
「だってさくちゃんがかっこいいから…。」
「え、なに?俺のせい?」
「ち、違うよ!さくちゃんがかっこいいから私にはもったいないなぁって思っただけ!」
そう言うと、さくちゃんは少しむっとした。