可愛い弟の為に
朝、救急外来を8時に終わり、僕は内科病棟に行った。
先に前からの入院患者を診てからハルちゃんの元へ向かう。
部屋に入る前に背筋を伸ばし、僕はノックする。
「失礼します」
部屋に入るとハルちゃんがボンヤリとしていた。
「おはようございます。
気分はいかがですか?」
声も出しづらいのか小さく、
「何だかよくわかりません…」
確かに。
熱がまだ40度ある。
「しばらく入院して頂きます。
入院治療計画書を持ってきましたので今から説明しますね」
意識がハッキリしないのに説明するのはどうかと思ったけど…
仕方がない。
「淡路さんの担当をさせて頂きます呼吸器科、高石です。宜しくお願い致します」
その瞬間、ハルちゃんの目が開いた。
「…あ」
小さな声が聞こえた。
「透の、お兄さん…」
久しぶりに聞くその声。
残念ながら掠れているけれど。
僕は頷いた。
「お久しぶりです、ハルちゃん」
少しホッとした表情を浮かべている。
「肺炎です。
1週間ほど入院して頂きます。
僕が主治医ですので、もし何かあればいつでもおっしゃってください」
「ありがとうございます」
僕は計画書にサインを貰って1枚、ハルちゃんに渡す。
「あ、後で透に来るように言っておきます。
最初にハルちゃんを診たのは透なので」
「え…、そうなんですか。
夢じゃなかったんですね」
ハルちゃんは肩で息をしながら言う。
「…良かった、ちゃんとなれたんだ」
口元に少しだけ笑みが浮かんだ。
絶対、後で透をここに寄こそう。
来なければいけない、透は。
先に前からの入院患者を診てからハルちゃんの元へ向かう。
部屋に入る前に背筋を伸ばし、僕はノックする。
「失礼します」
部屋に入るとハルちゃんがボンヤリとしていた。
「おはようございます。
気分はいかがですか?」
声も出しづらいのか小さく、
「何だかよくわかりません…」
確かに。
熱がまだ40度ある。
「しばらく入院して頂きます。
入院治療計画書を持ってきましたので今から説明しますね」
意識がハッキリしないのに説明するのはどうかと思ったけど…
仕方がない。
「淡路さんの担当をさせて頂きます呼吸器科、高石です。宜しくお願い致します」
その瞬間、ハルちゃんの目が開いた。
「…あ」
小さな声が聞こえた。
「透の、お兄さん…」
久しぶりに聞くその声。
残念ながら掠れているけれど。
僕は頷いた。
「お久しぶりです、ハルちゃん」
少しホッとした表情を浮かべている。
「肺炎です。
1週間ほど入院して頂きます。
僕が主治医ですので、もし何かあればいつでもおっしゃってください」
「ありがとうございます」
僕は計画書にサインを貰って1枚、ハルちゃんに渡す。
「あ、後で透に来るように言っておきます。
最初にハルちゃんを診たのは透なので」
「え…、そうなんですか。
夢じゃなかったんですね」
ハルちゃんは肩で息をしながら言う。
「…良かった、ちゃんとなれたんだ」
口元に少しだけ笑みが浮かんだ。
絶対、後で透をここに寄こそう。
来なければいけない、透は。