可愛い弟の為に
午後2時過ぎ、ようやく外来診察が終了し、休憩に入る前に小児科病棟へ向かった。
いたいた。
真剣な表情をしてPC入力をしている。
「透」
と名前を呼んだが、チラッとこちらを見ただけで入力を止めない。
「ハルちゃん、少し落ち着いてきたよ」
「そう…」
おおっ、周りのナース達が聞き耳を立てている。
この人達噂好きだしね。
何より小児科コンビ事、透と神宮寺先生に関することは病院全体で噂になるくらいだもんな。
それにしても透の反応は薄い。
それなら追い込もう。
「主治医の許可を出そう。会いに行っていいよ」
「はあ?」
透は手を止めない。
更にさっきより早く打っている。
ほほう、じゃあこれでどうだ!
「いや、行って。指示ね、これ。」
「はあああ?」
とうとう手を止めた透の超不機嫌な目が僕を捉えた。
睨まれている。
「内科医の担当でしょ?」
その声、不機嫌極まりないですよ。
「最初に担当したのは貴方でしょ?
そういうフォローを普段はするくせに今回だけしないの?
患者によって差別するんだ?」
お前は普段、自分が入院させた患者は他科であっても見に行ったり担当医に話を聞きに行ったりしているよな。
今日は僕の所へも来ないし、見に行こうともしない。
お前のダメなところは本当に大切な人の前で自分の正直な…素直な気持ちを開放しない事だ!!
透は大きく息を吐いて前髪を掻き上げた。
「離席します」
小児科看護師長の河内さんに言うと、彼女は
「ごゆっくり」
と言って手を振った。
他の看護師も同様。
透の不機嫌はますます増し、廊下にその足音が響くくらいだった。
いたいた。
真剣な表情をしてPC入力をしている。
「透」
と名前を呼んだが、チラッとこちらを見ただけで入力を止めない。
「ハルちゃん、少し落ち着いてきたよ」
「そう…」
おおっ、周りのナース達が聞き耳を立てている。
この人達噂好きだしね。
何より小児科コンビ事、透と神宮寺先生に関することは病院全体で噂になるくらいだもんな。
それにしても透の反応は薄い。
それなら追い込もう。
「主治医の許可を出そう。会いに行っていいよ」
「はあ?」
透は手を止めない。
更にさっきより早く打っている。
ほほう、じゃあこれでどうだ!
「いや、行って。指示ね、これ。」
「はあああ?」
とうとう手を止めた透の超不機嫌な目が僕を捉えた。
睨まれている。
「内科医の担当でしょ?」
その声、不機嫌極まりないですよ。
「最初に担当したのは貴方でしょ?
そういうフォローを普段はするくせに今回だけしないの?
患者によって差別するんだ?」
お前は普段、自分が入院させた患者は他科であっても見に行ったり担当医に話を聞きに行ったりしているよな。
今日は僕の所へも来ないし、見に行こうともしない。
お前のダメなところは本当に大切な人の前で自分の正直な…素直な気持ちを開放しない事だ!!
透は大きく息を吐いて前髪を掻き上げた。
「離席します」
小児科看護師長の河内さんに言うと、彼女は
「ごゆっくり」
と言って手を振った。
他の看護師も同様。
透の不機嫌はますます増し、廊下にその足音が響くくらいだった。