48歳のお嬢様
遅ればせながら
ご夫妻と別れたあと、お土産を物色した。

家政婦の川村さんと寺田さん、学園の関係者の方々へ……消えものと小物をはしゃぎながら選んで、
和樹は呆れて疲れてしまったに違いないわね……。

部屋に戻ると、和室の堀ごたつに夕食の準備が整っていて、
あとはお料理を頼めば並べて貰えるだけになっていた。


「お嬢様のお腹の空き具合はいかがでございましょう……夕食を持ってきて頂きますか?」


「そうね。和樹はあまりお腹が空いていない?」


「いえ、食欲はございます。
胸がいっぱいではございますが…」


「じゃあ、お料理を頼んでゆっくり時間を掛けて頂きましょう。

いったい何が和樹の胸をいっぱいにしているのかしら?
私は久し振りの温泉旅行で胸がわくわくして楽しくて仕方がなくってよ?」


「お嬢様と、とても久し振りの一泊旅行でございますゆえ…。
それに、思いの外、楽しまれていらっしゃるのを拝見致しまして、
嬉しくて仕方がないのでございます。
昔のままで、とても可愛らしくて…」


あら、和樹ったら、今さら頭なでなで?


「ふふ……昔よくしてくれたわよね、こういうの。
でもちょっと違う感じね?大人バージョンかしら?」


だって、体ごと胸に引き寄せられるのは、近すぎると思うのよ。
あ、またゆうべの胸の苦しいのが、やって来たみたい……。




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