48歳のお嬢様
視察ではご参加なさらぬ様
花村親子が別室でそんな事を話しているなんて、全然知らない私は、
お茶の時間まで、高等科で面白そうな授業をしているクラスを観て廻っていた。

和樹に釘を刺されたので、邪魔になら無いように観てるだけ……のつもりだったけど。


体育館でダンスの授業中…。
今は、私が昔習ったジャズダンスみたいな事をやっているのね。

あら…みんな動きが固いわ。
授業だからかしら?
柔軟でアップしたわよね?

観ていたら、こっちまでカチンコチンになってきそうだったので、
かかっている曲で、首から下に向かって肩、ひじ、手首、ウエスト、腰、膝、足首……と、ほぐしていった。

今日は理事会があったからスーツなのよね。
動きづらいったらないわ…。


そんな感じで体を動かしていると、生徒が面白そうに声をかけてきた。

「理事長先生、そのクネクネ、何ですか?」


「ん?ジャズダンスのアップよ。
体がカタイ子、やるといいわ。
関節が柔らかく動くようになるわよ」


「へー、理事長先生ジャズダンス出来るんですか?」


「出来る出来ないじゃ無いでしょダンスなんて。動けばいいのよ。ね、先生」


「え、えぇ…まぁ、理事長先生の言う様に簡単にはいかないですけど…。
楽しく踊れるように指導しますので。
……申し訳ありません」


「あら?先生、なぜ謝っていらっしゃるの?
私、今日は観るだけですので、お気になさらず~。
どうぞお続けになって?」


体がほぐれて来たところで体育館の入り口から叫ばれてしまった…。


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