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「でもどうして好きって気持ちだけじゃあどうにもならないんですかね?」


食後のコーヒーを口にした時、ぼろっとそんな台詞がもれてしまった。それを聞いた宝生さんは何となく一瞬目を丸くした様に思えた。


もしかして宝生さんにも、あるのかな?そういう経験。


だけど直ぐにいつもの表情に戻っていたから、もしかしたら私の考え間違いかも。


「でもまぁ、『すき』って認められるだけ、いいんじゃあない」


少し間があって彼からそう言われた。切なそうな表情でそう告げたから、私まで悲しくなりそうだった。


彼は私より切ない恋をしてるのかもしれない。その台詞からそう思った。


それっきり会話は途切れて、私はちびちびとコーヒーを啜った。


宝生さんは時々、腕時計を気にしながら。


……何となく気まずい雰囲気は拭い切れなかった。

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