それでも君を愛せて良かった
「テイラーさん、この石は…」

「そりゃあ、カイヤナイトだ。
綺麗な青だろ?」

「ええ…とても…
この石は高いんですか?」

「いや、ここにあるのはみな半輝石だからそう高くはないぜ。」

「カイヤナイト……」

その石はファビエンヌの瞳とそっくりだった。
ガラスのようなつるりとした光沢を持ち、深い湖を想わせる。



「あ…アベル…
もしかして、好きな女でも出来たか?」

「ち…違いますよ!
そ、そろそろ僕もちゃんとしたものを作ってみようと思っただけで…」

テイラーさんは僕のその言葉に大きな口を開けて笑った。



「アベル、そのくらいのことで真っ赤になるなんて、おまえは本当に可愛いな。
だが、おまえも好きな女の一人でも作った方が良いぞ。
そういやぁ、おまえ、いくつになったんだ?」

「え…二十歳です。」

「二十歳!?
そりゃあ、いかん。
二十歳にもなって好きな女もいないなんて、男として異常だぞ。
そのためには、もっとどんどん外に出なきゃいけないな。
そうじゃなきゃ、あっという間に年取っちまうぞ。」
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