それでも君を愛せて良かった
(好きな人ならいるよ…)



だけど、僕はその想いを口にすることは出来なかった。
僕と彼女はまだ知り合って間もないし…
それに…彼女は人形だから、きっと皆そんな僕達を祝福はしてくれないだろうから。



「今は、一人前の飾り職人になることが僕のやるべきことだと思います。
恋愛に現を抜かしてる場合じゃない。」

「そんなことはないぞ。
いいか、アベル…恋愛っていうのはな…」

「テイラーさん、申し訳ないんですが、父さんは急いでるようなんです。
僕はこの後、まだ買い物や用がありますから、早くしてもらえないでしょうか…?
それと、このカイヤナイトを二つ。」

話を遮った僕にテイラーさんは少し不機嫌な顔をしたけど、それでも紙に書かれた材料を急いで揃えてくれた。



「テイラーさん、どうもありがとうございます。」

「アベル、腹がすいただろ?
昼飯を食べて行かないか?」

「ありがとうございます。
でも、僕、急いで戻らないといけないので…」

「……そうか、じゃ、気を付けてな。」



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