上司がキス魔で困ります
「待って。俺はめぐちゃんがあいつを好きだって気持ちを疑ってるんじゃない。あいつの気持ちを疑ってるんだ」
「……」
悲しいかな、生まれてからずっとそばにいる蘭ちゃんは私の心が読めるようだ。
「めぐちゃんは中学から大学までずっと女子だけの環境だったから、男に対して不慣れなところがあるだろ。おまけに世界一の兄がこうやってめぐちゃんを大事にしてるわけで、生半可な男に振り向いたりなんかしないってこと、わかってるよ」
蘭ちゃんはテーブルの上に視線を移す。
そこには、私が枠を作るだけで一日かかる白いパズルの枠と、内側が少しだけ、綺麗に出来上がっていた。
たった一時間弱でここまで作るのは、確かに蘭ちゃんに匹敵するレベルかもしれない。
そして自分のことを「世界一の兄」と言い切るあたり蘭ちゃんはふてぶてしいなと思わないでもないけれど、説得力はある。たぶん。