上司がキス魔で困ります

「あの、良悟さん」
「ん?」
「ちょっとよろしいでしょうか」


 ちょうどブランコしかない小さな公園がある。
 連れ立ってそこに座った。


「あの……昔、私、良悟さんに告白されかかってましたでしょうか……」


 なんていうか、今更だけど。

 ブランコを揺らしながら尋ねる。


「ああ……」


 同じようにブランコをこぎながら、良悟さんはため息まじりにうなずいた。


「やっぱり……」
「だが一度じゃないぞ」
「えっ?」


 一度じゃないってどういうこと?



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