上司がキス魔で困ります
家まで送ると言った音羽課長のお誘いを固辞して、改札口でお別れした。
かなり不満そうだったが、そもそも私は駅近マンションの実家暮らしなので、送ってもらうのもなんだか抵抗があるだけなのだが(主に家族に対して。)
「春川くんの信頼を勝ち得るため、一層研鑽(けんさん)を積むしかないな」
課長はまた斜め上の発想で決意を新たにしていた。
いや職場直属の上司を信頼しないとかないですから、と思ったが黙っていた。
だって恥ずかしいし……。
電車に乗ってスマホを見ると、LINEの未読がめちゃくちゃ溜まっていた。
「あっ」
慌てて開くと、案の定。同居している兄からの鬼着信とメッセージだった。