上司がキス魔で困ります

 まぁとにかく、そんなスーパーウルトラ兄の追求の目を逃れるのはなかなか難しい。物理的に距離を取るのが一番である。

 仮彼女とはいえこの関係は知られないに越したことはないのだ。


 お風呂を出たあと、蘭ちゃんの入れてくれたコーヒーを飲み、歯磨きをしてまめさんと一緒にベッドに入る。


 それにしても今日は怒涛の一日だったなぁ……。


 セクハラ接待にウンザリして会社に戻って、音羽課長が告られているところに遭遇して……なぜか私が彼女いるふりのための、仮彼女になるなんてね。


「しかも、しちゃったし……」


 ドキドキしながら、唇に触れる。

 仮だったらキスなんて必要ないと思うが、やっぱり慣れない私のための雰囲気作りなのだろうか。


 あんまりドキドキしないよう気をつけなければ……っていうか一生分した気がするけども。






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