上司がキス魔で困ります

 もちろん自分で買ったものじゃない。蘭ちゃんからのプレゼントだ。


 ふわふわしてひらひらしてめちゃくちゃ可愛いのだけど、着ていくところがないので長らく封印されていた。

 ちなみに蘭ちゃんは靴からバッグから全部揃えてくれているので、もらったものをそのまま着れば万事オッケーである。


 ただ問題はメイクだ。

 格好ばかり良くてもメイクをきちんとしていないと浮いてしまう。いつもはビジネスメイクで最低限のマナーとしてやっているだけなので、格好に合わせられるか自信がない。

 だがもちろん、そこは抜かりなく準備をしていた。

 中学、高校と同じ学校に通っていた、親友の存在である。

 彼女は付属の短大からそのまま化粧品会社に入社し、現在百貨店のBAとして働いているのだ。




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