✴︎ キラ ✳︎ キラ ✴︎星《ヒカル》人 ✴︎ 〜番外編ー
「またぁ、恥ずかしいなぁ」



そう。杏菜のことにだけは、からかいたくなる。

ってのが本音。

でも、彼女が幸せそうだから笑顔になれる。





俺と杏菜は、2人とも大学を卒業した。
でも、そんなにいい日々ってことでもなく、悩むことが続いたんだ。



『試験……不合格だった……』





それは大学生活最後の夏の日、
杏菜が泣いて電話をしてきた。

夢だった介護士の資格試験…受からずにいた杏菜



当時、寿司屋でバイト中の俺は社長に頭を下げ続けて、杏菜の元に駆けつけた。



杏菜に会ったとき、杏菜は通知を片手に涙を流して、憔悴しきっていた。

床には、何を思ったかタバコが落ちていた。
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