ネコと上手に付き合う方法



もうすぐ秋だというのに、なんなんだこの暑さは…



だのにこの子は、よくこんな中寝ていられるな。



―2学期が始まり、俺は一方的な告白を受けながら何の返事もせずに今日を迎えている。



習慣になった校舎裏。



小乃美ちゃんに近付こうとすると、寝ていたはずの彼女がムクッと起き上がった。



び、びっくりした…



「ごめん、起こした?」



隣に座ると、



「西谷先輩の足音が聞こえたんで!」



満面の笑みで返される。



嬉しいはずなのに、ズキッと胸が痛む。



「あの、俺さ…」


「先輩!」



思いっきり言葉を遮られた。



いつもこうだ。



ちゃんと返事をしようとすると、それを察したかのように小乃美ちゃんは言葉を遮ってくる。



でも、いつまでもこのままじゃダメだろ?



「小乃美ちゃん、ちゃんと聞いて?」


「いいんです。分かってるんです!だから、返事は欲しくないんです。」



なんで?



俺が、好きにならないって言ったから?



じゃあ君はなんのために?



俺の頭の中には“?”ばかり浮かんでくる。



「だから、今まで通り接してください。」


「ああ。」



答えることすらできない俺って、カッコ悪いな…


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