霊能カウンセラー ミコ 「眠りの部屋」
キョウコは目覚まし時計を止めた。
「もう少し、あと5分寝よう!」
このところの激務が、相当体に応えた。昨夜は、今まで味わった事のないような頭痛がして耐え切れず、お酒と睡眠薬の禁断のカクテルで無理やり眠りに堕ちた。
「ダメ、起きられない。あと5分だけ・・・」

ナツミは、少し緊張していた。霊能カウンセラーと呼ばれている人間と、初めて対面する誰もが味わう程度に。
「ミコです、よろしくお願いします。ナツミさんは、こういったご相談は初めてのようですね、先ずは、軽く深呼吸してリラックスしましょう」
ミコは、対座していたナツミの背後に回って立ち、両手を軽く両肩の上に乗せた。
そして、自ら息を吐く音がナツミに聞こえるように「ふぅ~~~」とひとつ吐き出した。
「肩が、ふわぁ~って感じで心地良いですね!。これって先生のパワーなんですか?」
「ナツミさんはちょっと「気」の滞りがあるようなので、今軽く流してみてるんですけどね、ふわって感じがあるようでしたら、それほど心配なさらなくても大丈夫ですよ」
ミコを訪ねる殆どのクライアントは、心身が強い緊張状態の場合が多い。その原因は、自分の意識によるものだったり、生霊によるものだったり、死霊によるものだったり・・・様々なのだが。
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