俺様同居人と××関係!?
 
青山くんの場合――


「え……これ彩音ちゃんが作ってくれたの?

本当に!? お、俺が食べていいの?」

「う、うん。上手く出来てるか分からないけど……味見は美味しかったら、たぶん大丈夫!」

「絶対美味しいでしょ! うわ~楽しみだなぁ!

……今、一個食べてもいい?」

「今? もうすぐ一限目始まるわよ?」

「大丈夫!

お、いい匂い……うん、サクサクしてて甘い。美味しいよ!

彩音ちゃん、ありがとう」


ニッコリと笑ってくれる青山くん。

口元にクッキーのこぼれがついている。


「青山くん、口の横についてるよ」

「え……とれた?」

「まだ。あ、そっちじゃなくて……ちょっと屈んでくれる?」

「ん?」


少し膝を曲げてくれた青山くんに近づき、手でちょいちょいとこぼれを落とす。

その時、クラスの大半が「はぁ」と熱の籠った吐息をついた。


「とれたわよ」

「あ、あり……ありがとう……」

「うん」


すると、後ろの席の才賀が「おい」と低い声を出す。


「ん? なに才賀くん」

「……なんでもねーよ」

「なによ、それ」


何でもないと言う割には全く納得のいってない顔をしている才賀。

不機嫌そうな顔……一体何が気に入らないんだか。


「あ、分かった。才賀くんもクッキー欲しかったんでしょ、そーでしょ?」

「……」

「ん? ん?」


すると、才賀がチラリと睨む。

そして――


「……床に物を落とすんじゃねーよ」

「な!?」


もう、才賀のバカ!

今日はお皿洗ってあげない!

 
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