俺様同居人とヒミツの関係!?
 
アキナちゃんの場合――


「こ、これを私に……!?

い、いいいいい、いいいいんですか!? 彩音さん!」

「いつもお世話になってるし、もらってくれたら嬉しいわ」

「い、いいい、いいいいいただきますすすっすす!!」

「(すすっすす?)」


やっぱりアキナちゃんは面白い。

私が不器用に作ったラッピングを見て、目をキラキラ輝かせている。

可愛いなぁ~。


「アキナちゃん」

「は、はい!」

「今日も良い日にしようね!」

「……はい!」


はじける笑顔に私もつられる。

そして二人で「いえーい!」と手を叩いていると、エントランスを出た部分で誰かとぶつかってしまった。


ドンッ


「あ、ごめんなさ、」

「……いてぇ」

「才賀くん……」


あなたは洗濯を干してくるって言ってたのに、なんでこんなに早いのよ!


「ご、ごめんなさい~前しか見てなくって」

「お前なぁ~」


文句を言おうとした才賀は、なぜかアキナちゃんを見て「なんでもねぇ」と口を閉じる。


「え、ちょっと才賀くん?」

「早く行かねーと遅刻するぞ」

「え……うん」


怒られなかっただけじゃなくて、気を遣ってくれた?

え、今日は雨なの!?


雲一つない空を見ていると、アキナちゃんが「ふぅん」と頷いた。


「アキナちゃん?」

「い、いえ! 何でもありません!」

「そっか、じゃあ行こう?」

「はい!」


そして二人で学校へ向かう。

風が気持ちいい、爽やかな朝だった。

 
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