俺様同居人とヒミツの関係!?
「ってか自営業なんだから、転勤は自分たちで決めたようなもんじゃない」
「てへへ、そうなんだけどね~」
的を射ると正解だったのか「お酒お酒~」とキッチンにいってしまった。
我がママながら酒にも自分にもことごとく甘い……。
自分の将来が不安だ、とやれやれのポーズをしていると、今まで銅像のように動かなかった父が「彩音」と私の名を呼ぶ。
「パパも大変ね。ママのお守、海外じゃ更に暴れ馬になりそうだけど?」
「はは、覚悟はしてるつもりだよ。こう見えて探索能力に長けていてね!」
「誰が?」
「もちろんパパがだよ!」
「……」
この前自分のメガネがないないと、頭に眼鏡をあげながら探していたパパの姿を思い出す。どうやらこの男も自分に甘いと見た。