甘い誘惑*短編*






口に広がる甘い味


放り込まれたキャンディーに私は満足し、開いていた口を閉じた。



「ど?美味しい?」



「まあそれなりに、それよりさっきのなんですか?

飴くらいさっさと口に入れてください」


「いやー、食べさせるって言ったら素直に口開けるから可愛くて可愛くて」


「…バカですか」



あまりのしょうもない理由に眉を寄せるとだって可愛かったし、と平然と言いのけ、にっこり微笑んだ。



彼は知らない


彼の一挙一動に私はときめくし


好きになっていくことを






< 2 / 10 >

この作品をシェア

pagetop