ゆいちゃんと孤独



ゆいちゃんのお母さんは、ゆいちゃんを産んですぐに天国へ行きました。
ゆいちゃんのお父さんは忙しくて中々家に帰って来ません。
だから、夕方、夜ご飯をおばあちゃんが作って家まで届けてくれます。
時々、ゆいちゃんと一緒に寝てくれます。

だけど、今は昼だからおばあちゃんはいません。

ゆいちゃんは、広いお家に独りぼっちです。



ゆいちゃんは、泣いています。
大声で泣いています。
だけど、誰もいないから、ゆいちゃんの声は誰にも届きません。

ゆいちゃんは学校で友達にいじめられています。
ゆいちゃんは先生に見放されています。
ゆいちゃんはお母さんと会った記憶がありません。
ゆいちゃんはお父さんと話したことがありません。

ゆいちゃんは、それが悲しくて泣きました。
誰もいない部屋で一人、泣きました。

独りぼっちだと、孤独で寂しいと、泣きました。



するとそこに、小さな黒いものが現れました。

「だあれ?」とゆいちゃんは尋ねました。
黒いものは、「孤独のぼっちんだよ」と微笑みました。



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