影姫にあいを

美影side

また止まらなくなる、でも今はこれでいい。

あの子を可愛らしい月姫を護らなきゃいけないから。

こんな私を拾って仲間だと言ってくれた
龍哉のために。


「キャッたす……けてっ!」

月姫の悲鳴。男の笑う声。

一人また一人と倒してついに月姫に辿り着く。

その近くには総長らしき男。

この族の名前なんて興味もない。

「つっ月姫は返すからっ!だからっ!辞めて
くれ!!」

今更辞めてほしい。もう止まらないんだから。

「ごめんね。ばいばい。」

抑揚のない声で、さよならを告げた。

ドサッ


鈍い音の後に月姫がそっと顔を上げるのを見た。









< 2 / 76 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop