その先には…
『ちょっ…待っ…』

いつしか"俺”は遠ざかり見えなくっなった。

≪…ヒロ―…≫

…?
エリ…か…?

≪ヒロ―…ヒロ―…≫

「うわぁっ!!」

俺は我に返ったように目を覚ました。

「やっと気付いた~!心配したんだよ?」

エリが心配そうな目で俺を見ていた。

「え...?俺何で…つか…ここどこ?」

周りを見渡すとなんとなく懐かしく感じる。
真っ白な壁に真っ白な天井と床。
まるで夢の中に出てきたような部屋だった。

「バーカ!保健室だっつの!」
「わぁ!!」

リュウが笑いながらボールを投げてきた。

「あっぶなっ。俺みたいに反射神経よくない人だったらどうすんだよ!」
「うっわっ。自慢かよ!」

「冗談だよ!」と言いながらへへッと笑い、リュウにボールを返した。

「ヒロは体育の授業のときボールに当たって気絶したんだよ?」

そっか…

「か、カッコワル…」
「…。だから!まだ安静にしててね?」
「イヤ…でも…。」

そう言って起き上がろうとした時、

ズキッ

頭に激痛が走った。

「痛ッッ!!」
「当ったり前だって。まともにくらったんだから。俺のボールを」

リュウは得意げにそういうと満足そうな顔をした。

バカらしくなって笑うことしかできなかった。



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