探偵の彼に追跡されて…
カラオケに行かない人達と同じ様に私も駅へと向かおうとした時

「雉馬! 送って行くよ!」

振り返ると鶴見君がタクシーに止めた所だった。

「有難う。でも電車で帰るから良いよ」

すると鶴見君は私の側まで駆け寄って来た。

「通り道だから送って行くよ!」

「え? 通り道…」

鶴見君、私の家知らない…よね?…

「あっさっき堤先輩と話してる時、駅の名前が聞こえたから、それにあいつ達も送るついで」と言ってタクシーの方を親指立てて差す。

タクシーの側には後輩の女の子二人が居た。

「雉馬先輩! 送ってもらいましょうよ? 早く早く」と呼んでくれる。

後輩の女の子達に方向を聞くと確かにここから途中に私の住んでるアパートを通る。

後輩達の前で無碍に断るのもどうかと思い仕方なく

「じゃ… お願いしょうかな?」

駅のロッカーに置いてある荷物は明日にでも取りに行けばいいかな?

鶴見君は助手席に乗り私達三人は後部座席に乗った。

タクシーが走りだし10分程で近所まで来たがアパートを知られるのは嫌だ。

鶴見君はもう直ぐ結婚するし、後輩の女の子達は私に懐いていたから無言電話なんか掛けたりしないだろうけど、念の為離れたコンビニで止めてもらった。

「ここで良いのか?」と言う鶴見君に

「うん。有難う。ちょっと買い物したいし、家も直ぐそこだから」と自分の住んでる方向と逆を指差した。

「鶴見君、結婚するんだからね? 送り狼になっちゃダメだよ!?」

私は、冗談半分本気半分で言った。

「雉馬先輩、大丈夫ですよ! 私達、護身術を2年前からキックボクシング習ってますから、鶴見先輩が襲ってきたら蹴り入れますから!」と笑っている。

鶴見君も「こっえー」と苦笑いしていた。

「じゃー安心だね! 気をつけてね」

私は走り去るタクシーを見送ってコンビニで飲み物を買って帰った。

「あぁ疲れたー」

プライベートでメイクをして出掛けたのは久しぶりで誰かに見られてるような気がして緊張していたせいか肩が凝った。

「ゆっくりお風呂に入って解そう」




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