探偵の彼に追跡されて…
所長について廊下の突き当りのドアを入るとそこは広いリビングダイニングだった。

所長はダイニングの机の上に部屋の鍵をおいた。

「美野里ちゃん適当に座ってて!いま温かい飲み物入れてくるね?」

「あっ私がやります」

「良いよ。美野里ちゃんは座ってて」

そう言われたら所長の部屋だし大人しく座っていよう。他の女がキッチンに入るの奥さんだって嫌がるかもしれないしね?

私はソファーに座りぐるっと部屋を見た。

リビングには白い壁に壁掛けの大きなテレビと8人掛けのL字型のソファー、ダイニングには6人掛けのダイニングテーブルが置かれ家具はダークブラウンで統一されている。モスグリーンのラグが敷かれてテレビゲームも無く落ち着いたお洒落な大人の部屋って感じ。掃除も行き届いている。

いつも事務所でテレビゲームをしてる所長からはちょっと想像できない部屋だった。

こんな大きなスクリーンで映画見たいなぁ…

いつもパソコンで見ていたので羨ましく思って居ると所長は

「夜も遅いからホットミルクにしたよ」

と言ってトレーにカップを乗せてキッチンから戻って来た。

「疲れてる時は甘い物を食べると良いよ」

所長はそう言ってホットミルクと一緒にチョコレートをテーブルに置いてくれた。

「有難うございます。」

私はチョコレートを1つ摘み口の中へ入れる。

上品な甘さのトリュフチョコ。美味しい。

ホットミルクを飲んだら疲れているのか瞼が重く眠くなって来た。

「美野里ちゃん、お風呂に入って休むと良いよ?」

「あの…所長はまだですよね? 先に所長が入ってきて下さい」

家主より先に入るなんて申し訳ない。

「俺の事は気にしなくて良いから、ゆっくりお風呂に入っておいで」

正直、あんな事が合ったから早く自分の体を洗いたかった。

「すいません。お言葉に甘えます。」





< 55 / 152 >

この作品をシェア

pagetop