【完】音にならない“好き”をキミだけに。



「あの…、もしよかったら今日は家でのんびり過ごしませんか?誰もいないからゆっくり出来ると思うんだ…!!」


『言葉で伝えてキスでもしとけばいいのに』

……こんな時に、ねーちゃんの言葉思い出すとか最低か!


佐倉は純粋に言ってくれてると言うのに。

最低な俺と、さようなら。


「実はケーキ作ってて…、食べてもらえたらなって思ったの」

「じゃあ、お邪魔させてもらう。実はこのあとのこと何も考えてなかったんだ」

のんびり出来るのは嬉しい。

どうか、どうか、

佐倉が可愛すぎる言動をしませんように。


そう願いながら、俺は佐倉の家に入った。



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