ティアラ
「散髪屋!! 散髪屋を探して!! 早く来て!!」

必死に助けを求める、あたし。

きっとこの状況を察してくれたのだろう。

直子は慌てながら、側にいる太一に話しかけていく。

そのとき、だ。

「あっ……」

後ろ向きに歩くあたしは、何かにつまづいてしまった。

尻もちをついたことで、大きな痛みが腰に襲ってくる。

痛いところを手でさすりながら、手放してしまった携帯電話がどこへ飛んでいったのか、急いで探した。

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