ティアラ
力強く投げることで破裂する水風船。

「……お前なぁ。ガキみたいなことしてんじゃねーよ!! ずぶ濡れじゃねーか!!」

髪の毛まで濡れた深町は、買ったばかりの眼鏡をはずして、手のひらで顔を拭いていく。

「はい。これ返す」

水滴が残っている額に、昨日渡された請求書をピタッと貼り付けるあたし。

「あたしだってね、誰かさんから馬鹿にされたせいで、レーザー手術までしてほくろを取ってるのよ!!」

手術費は保険がきいてたから、1万位だったけど……。

これ以上、金を払ってたまるか!!

「眼鏡とか自転車代のほうが高いけど、小学生時代に味わった屈辱と比べれば安いもんでしょ!!

それに、あたしは弥生ちゃんや美緒ちゃんから、あんたへの仕返しを頼まれてるの!!

だから、これからもあんたへの嫌がらせはやめないからね!!」
< 168 / 555 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop