ティアラ
混乱する頭を整理しながら、最善の理由を必死に考える。

すると、突然、隣にいた深町が、あたしの肩を抱き寄せた。

グイッと寄せられたことで、あたしの足は不安定になる。

「付き合うことになったんだ、俺たち」

頭上で囁かれた台詞。

ビックリしたあたしは、口を開けたまま彼を見上げた。

眼鏡の奥にある目は、美緒ちゃんたちへ向いている。

「え?」と顔をゆがめる、彼女たち。

何がどうなってるのか、まったく理解ができなくて。

あたしは心の中で叫んだ。

「いつから、そんな関係になったのよ!!」って。
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