ティアラ
篤紀のことを考えて、小さくため息をついたとき、突然、直子と話していた美緒ちゃんが、パンッと両手を合わせた。

何かを思い出したのか、彼女はあたしたちに満面の笑みを向けてくる。

「もうすぐ、弥生の誕生日なんですよ。何人か友達を集めて、盛大に祝ってみようかな。少しでも元気になってほしいし!」

白い歯を見せて、自分のことのように喜ぶ彼女。

なんとなく弥生ちゃんの話題に入りたくなくて、あたしはもらったハガキを見つめながら、適当にうなずくだけだった。だけど……。

「そうなんだ。誕生日っていつ?」

「次の日曜です」

直子と話す美緒ちゃんの返事を聞いて、あたしは目を見開いてしまった。

次の日曜日って……。
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