ティアラ
こいつからあんなあだ名をつけられるまで、あたしはクラスの男子からも人気があったし、女子からもよく「可愛いね」と言われてた。

毎日が楽しくて、学校へ行くのも大好きだった。

「鼻くそつけて、話しかけてくるんじゃねぇよ」

ある休憩時間に深町篤紀が言ったその一言で、あたしの小学校生活はガラリと変わった。

男子からは「鼻くそ」と呼ばれ、女子からは影でクスクス笑われ、あたしは学校が大嫌いになったんだ。

「で、何? 今頃になって、俺に仕返しするつもり?」

びっくりしていたはずの深町は、話し終わる頃にはもう平常に戻っていた。

「もちろん。必ず、あんたの泣き顔を見てやる」
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