あなたに恋をしたらダメですか?
俺は蒼井さんの隣にいたくなくて、お客様が見えた瞬間、逃げるようにして接客に回った。


「お客様、二名様ですか?お席御案内致します、どうぞ」


俺が案内したのは、女性のお客様二人組。俺のあとを付いてくる背中越しに、コソコソと会話するのが聞こえた。


「(ねぇねぇ、この店員さんカッコイイ!)」
「(分かる!私も思った!)」
「(彼女いるのかなぁ?)」
「(こんだけイケメンなんだもん、そりゃいるでしょー)」


ざんねーん、彼女はいませーん。まぁ、ヤる相手には困ってないけどねー。


「こちらのお席で、よろしいですか?」
「「はい!」」


俺がニコッと笑えば彼女たちも満面の笑みを見せ、二人揃って返事をした。


んー、どっちの子も可愛いけど、後腐れなくヤらせてくれそうなのは、左の子かな〜。


なんて、女の子を見ると、そんなことを考えちゃう俺は中学生か。


これだもん、蒼井さんが心配するのも無理はないよなぁ。だって俺もう35だし。


< 17 / 122 >

この作品をシェア

pagetop