ぬり絵 -花言葉でラブレター-
「ふむふむ
好きな景色ねぇ...」
僕の話を聞いて悩む鈴菜。
「なんかいい所知ってるか?」
「んー
個人的に好きなのはここから見る夕焼けだけど
あとは、前に柊也と出かけた時の帰り道かなー」
多分鈴菜は僕よりも綺麗だと思えるところを知ってる。
景色を大切にしてるからだ。
鈴菜の見てる世界は僕が見てる世界よりも綺麗なんだろう。
「夕焼けって綺麗だよね」
鈴菜に突然言われた。
「元気に燃えてるみたいに見えるのに
別れを惜しんでるみたいに儚くも見えて」
そう言っている鈴菜は
ちょうど沈み始めた日に照らされて
すごく綺麗だった。
そして
少し、儚く見えた。