第二部 母と妻と女の狭間で・・・ 留学時代編
 だから、私が残りのホスト費用を請求し
たとしても、たぶんお金はないと思う。

 だったら、お金の話をしても気分が悪く
なるだけで、どうせお金は戻ってこないん
だから、諦めるほうがよっぽどいい。
 
 なんとかあさひにも理解してもらいたい
んだけど。
**
 図書館で勉強していると、時間はあっと
いう間に過ぎる。
 気が付くと午前0時を回っていて、図書館
は閉館。
 
 あさひはいつもの様に、図書館に文句を
言い、アパートに帰る間に今日あった出来事
を饒舌におしゃべりする。

 私は、この時間が好き。
普段はほとんど自分からしゃべらないあさひ
が、この図書館から帰る時だけ、限りなく
クリアーな富士山の湧き水が止めどなく
流れ出るように、私が口を挟む余地なく、
今日あった出来事を話している。

 知り合う前は、無愛想で、ろくに喋らず、
ただただ感じ悪い人だったあさひが、一緒
にいる時間が増えて、内面をよく見られる
様になってから、じつはまったく反対の
性格だってわかるようになった。

 本当は、おしゃべりで、しかも世話焼き。
困ってる人は出来る限り助けたい、そんな
人。

 じゃあなんで、普段は無愛想かって言う
と、そんな困っている人すべてを助けるこ
とができないってことを、知ってるから、
だったら、始めから関わらない。
 それに、1から10まで世話してしまうと、
その人本人が努力しなくなってしまうから、
だって。
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