第二部 母と妻と女の狭間で・・・ 留学時代編
 まっすぐアパートに帰ろうかと思ったけ
れど、もしもあさひと晴美が一緒にいたら、
私のいる場所が無いのは、十分わかってい
たから、すぐにアパートに帰る気になれな
かった。

 と言っても、時間は午前0時を回っていた
し、他に行く所もなかったから。とりあえ
ず寧子の家に行った。

 ミチも一緒に寧子の家に入りたがったけ
ど、さすがに午前0時すぎに、女だけ
(ホストマザーはシングル)のホストに入
れるのは諦めてもらった。

 部屋に入ると、寧子がさらに何があった
か聞きたがった。

 とりあえず、ミチもいなくなったし、
晴美が帰ってきたことを寧子に言うと、寧子
はあまり驚かず、

「なんとなくそんな気がしたよ」

それだけ言って、キッチンに消えた。

 次に寧子は、ティーカップを2つ持って
帰ってきた。

「あんたは晴美ちゃんと話してないの?」

 そう聞かれたから、それまでのいきさつ
を寧子に話すと、

「うーん、立場弱いね」

 私もわかっていることを言った。

「晴美ちゃんがどういうつもりで、帰って
きたかわからないけど、とりあえず今日は
寝ようよ」

 そう言って、シャワーを浴びに行った。
時間を見るといつの間にか1時を回ってい
た。

 寧子のホストに来てから、1時間以上も
経っていたことに、全く気が付か無いほど、
自分が動揺していたことに、初めて気がつ
いた。
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 この小説は 1.留学時代編 2.結婚生活編 3.不倫、そして・・・編 からなる三部作です。 ”倉持紗季”の小さな頃からの夢だった海外留学。  充実していた留学生活でしたが、 同じ日本人学生だった”早乙女あさひ”に恋して、一緒に暮らし始めます。  しかし、その後まもなく”あさひ”の子供を妊娠したことから、 海外留学を諦め、日本に帰国する事になります。  日本に帰国後まもなく”あさひ”と結婚。 結婚と、ほとんど同時に出産。  夫”あさひ”は家庭を持つために、 父親が経営している会社を継ぐことになりました。  ”紗季”も子育てのかたわら、会社を手伝うことになります。  見知らぬ土地で、初めての結婚、出産、子育て サラリーマンの家庭で育った”紗季”にとって 理解できない自営業の不安定さ。  ”あさひ”の仕事はいつも忙しく、 帰宅は、ほとんど深夜になります。  子育てに疲れた”紗季”は、 忙しすぎる”あさひ”との会話もあまりなく、 いつも1人、寂しさを募らせます。  ”紗季”は そんな”あさひ”から心が離れ、独りぼっちになっていきます。  そんな時に子供のサッカースクールで出会った、 自分より5歳年下の子供のサッカーのコーチ ”寺澤 温”  母として、妻として、最後は”女”として 狭間で揺れる”紗季”の女心。  自分をどんどん追い込んでしまう辛さから いつしか・・・ この作品は、作者本人による重複投稿となってます。

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