第二部 母と妻と女の狭間で・・・ 留学時代編
「ほんと、って言うか、ミチは結局、やった
かやらないかが大事なだけで、好きか嫌い
かって、心はどうでもいいわけ?」

 ちょっと、逆切れ気味に強く言うと、

「わ、わかった、信じるよ」

やっと納得した。

 でも、あそこで

『やったかやらないかよりも、結局、
紗希ちゃんはAshが好きなの?』

って聞かれたら、正直に言ってしまいそう
だったな。ま、それでも良いんだけどね。

 でも、今だに私の片思いだから、今はまだ
言いたくないんだよね。

 いつか、晴れて付き合えるようになったら、
みんなに祝福されたいと思うけど。

 ミチのしつこさにうんざりしていると、
寧子が呼びに来た。

「ミチさん、いくら紗季が好きでも、
みんな待ってるから独り占めしない!」

寧子ナイス!

 ミチは寧子に促されて、部屋から出て
行った。 

「どうした?」

 寧子がにやけながら聞いてきた。
それまでのミチとのやり取りを話すと、

「あんた馬鹿だねー、ちゃんと洗濯物カゴ
に入れなさいよ!」

はい、重々骨身に染みました。

 また、寧子に怒られながら、部屋を出ると、
みんな勝手にリビングを物色していた。

 リビングにあるのは、ほとんどがあさひ
の物で、私やヤマさんの物は、ほとんど部屋
の中。

 そういえば私も、この部屋の中をじっくり
見たことは無かったな。

 この部屋には暖炉があって、けっこう
おしゃれな雰囲気。
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