君がいない明日。

小5〜三人の友達〜

小学5年生。


私には大好きな友達がいた。

毎日毎日遊んでて小学生の時から一緒の女の子と幼なじみの男の子

三人で。


名前は遥乃。

ショートカットの元気な女の子だった。

私と違って目立ってクラスの中心。

幼なじみの名前は蒼。

結構イケメンだったけど、

言ってしまうと空レベルではない。



「では、いまから学級委員を決めます、
立候補または、推薦はありますか?」


5年生になったばかりに、学級活動で
先生が話していた。



みんな手を挙げていた。

でも、わかる。立候補ではなく

これは推薦だ、

遥乃を、みんな推薦しようとしていた。

もちろん、遥乃は学級委員の学級委員長に
ふさわしい人だ。

「遥乃がいいとおもうまーす」
「おれもー!」
「遥乃以外いないよね」

ここまで、くると絶対断れない。

遥乃はやりたいんだろうか。

流れでやることになってるけど

これでいいんだろうか。

私は蒼を見た。

「あ、あっ、蒼っ!」

「そんな、心配しなくていいと思うよ?
遥乃見てみ」


蒼に言われて見てみると。

遥乃は照れ笑いをしていた。

(よかった)

やりたくないのに、無理やりなんてよくないから。

遥乃、がんばって。

応援してるから!









「今日のお昼自由場所だよー、屋上いこ」

そう言ってきたのは遥乃だった。

学級委員長になった1時間目から

周りには人が群がっていて

話せていなかったのだ。

「は、遥乃!おめでとう!がんばってね
わたしにできることがあればお手伝いするからね」


「.......うん、ありがと」


「うん、てか蒼は?」

「ここ」


体が、びくっとした、
だっていつの間にかとなりにいるんだもん。

「こわ、」

「は?どこがだ」

「そーゆーとこ」

「へーい」


私と蒼は元気に笑っていたけど
遥乃に元気はなかった。


「ねぇねぇ、遥乃。どーかした?」


「え!?.....な、なんでよ。べ、別に」


「あのさ.......もしかして学級委員長いや?」


遥乃の体がびっくっとした。


(やっぱり...)



「本当は....でも、あんなに推薦してもらって嬉しくて気持ちに応えたいって思ってでもでもっでも、みんなと、遊ぶ時間とか減っちゃう....」



「え!?減んない!いっぱい遊ぼっ」



泣いてるのを我慢していた。


するとゆっくり口を開いていった。


「緊急だけどね、冬に引っ越すの」




心臓が止まったかと思った。でもすぐに
大きく鼓動を打っていた。


あ、この脈が感じられる感じいやっ。

「.........」


しかも、私は声が出なくて。

頭の中でぐちゃぐちゃで。


「遥乃」


先に口を開いて話し始めたのは蒼。


(蒼.....?)


「それは先生はしってるか?」


「ううんっ私も昨日聞いたの。だから
学級委員長任されたんだと思う。でも、
お母さんから言うから絶対言わないでって言われてるから.....」



私はまだ口を開いてなかった。


でもただ反応した。


目から涙があふれた。


「っ!花音!」


遥乃がびっくりしてる。泣きやまないと。

なのにっ。なのに....。


「う........うぅ......うっ.....」

泣きたいのは遥乃なのに....。
ごめんね。


ごめんね。







そこから私達は何も喋らなくなった。

気まずかったのだ。

遥乃は悲しそうで

私は泣いてて

蒼は私を慰めていた。


最低だ。もっと他の言葉があっただろ。

どうして言葉より先に泣いてしまったの。

「はっるの....」


私にはかけがえのない友達。

やっと出来た友達なのに。

また、失うの......。



私はそのまま疲れて眠ってしまった。







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