対象外でも恋咲く
そして、瞳の部屋に入って、靴を脱ぐと弘人は瞳を持ち上げた。


「えっ? ちょっと、重いよ」


「全然重くない。もう限界。高畠さんが……瞳が欲しくて堪らないから」


年下の弘人が慌てる姿や恥ずかしがる姿はかわいかった。しかし、自分を軽々と持ち上げて、名前を呼び捨てにする姿は年など関係なくただかっこよくて、瞳の胸はギュッと締め付けられる。

ベッドの上に落とされ、素直に感じたことを言う。


「小沢くん、かっこいいね………んっ!」


弘人は言葉で返さないでキスで返した。言葉で言い表せないくらい瞳が愛おしいから、体全体で気持ちを表したかった。


「逃げないでって、言ったでしょ。全部をくれるなら全部を見せて……」


服を脱がされて恥ずかしくなった瞳は胸を隠すが、隠す手を掴まれて、上にあげられてしまう。

露になった胸の頂きを弘人は優しく口に含む。


「あ、いや……」


思わず「いや」と言ってしまうが、本当は嫌じゃない。だから、瞳は弘人の背中に手を回してより近付けようとした。
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