対象外でも恋咲く
「瞳、かわいい……好きだよ」


お互いがお互いを求めて、同じように感じて、同じように体を熱くさせて、同じ瞬間に果てた。


「弘人……」


「ん?」


瞳は優しく髪を撫でる弘人の心臓の音を聞きながら、名前を呼んだ。


「ありがとう」


「えっ?」


「すべてをもらってくれて嬉しい」


瞳の頬はまだほんのりピンク色で、目は潤んでいた。


「瞳はほんと俺を煽るのがうまいよね」


「えっ、そんなつもりは……いや、もう充分で……」


「ダメだよ、また欲しくなった。もっとちょうだい」


慌てる瞳に弘人は妖しく微笑んでまたキスをした。そして、また瞳を抱いた。

心も体も満足した二人が眠りについたのは日付が変わって、1時間が経過してからだった。

対象外だと思っていた相手でも恋をしてしまうから、世の中分からないことがまだまだある……そんなことを弘人はが先に寝息を立てていた瞳の髪を撫でながら思った。
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