対象外でも恋咲く
椅子ごと瞳に近付いてきていた弘人は、今度行ったときにはバターを入れようと決めて、良い情報をもらったと瞳に満面な笑顔でお礼を言ってから、自分のデスクへと戻る。

そんな弘人の爽やかな笑顔に瞳は一瞬ドキッと心臓が跳ねたが、気のせいだと思い込むことにする。

しかし、瞳の心中を全く察することのない弘人はもう一度瞳の心臓を跳ねらさせる。

デスクに戻ったはずの弘人がまた瞳のほうに来ていて、肩を叩いて、耳元で話したからだ。


「良かったら、今度一緒に行きませんか」


「あ、うん。いいよ」


瞳はすぐに返事をしたが、耳元で話しかけられたことに内心、ドキドキしていた。

一方、弘人はいつもと変わらない表情でパソコンに向き合っていた。

弘人はあのラーメン屋に入ったのは初めてだった。だけど、自分の好みの味だったこともあり、また行こうと思っていた。

それで、他のメニューも試したくなって瞳の食べたものを聞いた次第で、一人で食べるよりは誰かと食べて美味しさを共有したいとも思った。
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