さよならの見つけ方 第2章 *絶対温度*
「あ、金星が出てる」
私が空を見上げてそう言うと、クリスも黙って空を仰いだ。
「金星って、地球より大きいのかな」
「さぁ」
「チャドなら分かるよね」
「あいつは聞かなくても、教えてくるからね」
「あはは、確かに」
少しだけ笑うと、心臓がくすぐったい。
チャドも見上げているのかな。
サウスロンドンが晴れている日は、チャドのいる街も晴れていて欲しい。
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