次期社長の甘い求婚
「眠いなら寝ろ」


意識がまどろむ中、聞こえてきた心地よい声。


ほんのり頬に触れた温かな感触。


甘えるわけにはいかない。


けれど、もうどうしようもないみたい。



この人の腕の中は、自分でも驚くほど居心地がよくて安心できてしまう。


それは酔っているから……?


そうだよね。でなければこんな簡単に気を許すわけないじゃない。

ましてや相手が神さんなのだから。


徐々に瞼が閉じられていく。


最後に視界を捉えたのは愛しそうに私を見つめる彼の瞳だった――。
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