次期社長の甘い求婚
「わっ!? ちょっと神さん苦しいです!」

「可愛いこと言う美月が悪い」


抵抗するも神さんの力に叶うはずもなく、ギューっと苦しいくらいに抱きしめられていく。


けれど苦しいのに、幸せだと感じてしまう。

それはきっと、大好きな人の腕の中だからかもしれない。


仕事に行く準備をしなくちゃいけない時間なのに、ギリギリまでベッドの中でふたりで過ごしてしまっていた。

高校生のように、このまま時間が止まってしまえばいいのに……なんてことを、何度も思いながら。




「へぇ~そうなんだぁー。それで明日美月の家に招待して、手料理を振る舞うってわけね」

「そうだけど……あのさ、亜紀。いい加減その目!! やめてくれないかな?」


神さんと気持ちが通じ合えてから三日後の金曜日のお昼時。


早速亜紀に報告すると、詳しく聞きたい! と迫られやっと時間が合い、こうして一緒にランチを共にしていた。


お昼時で混み合うパスタ専門店で、赤裸々に話すには恥ずかしい内容だけに、さっきから小声になってしまう。
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