次期社長の甘い求婚
でもその理由にも納得できる。


なんだかんだ鈴木主任は営業所内では、ちょっとした有名人だったし、なにより彼のことを悪く言う人はいなかっただろうから。


突然舞い込んだ話に、みんな驚いたよね。

おまけに話が話だけに。


「なに? 会ったときからずっと元気ないけど、まさかあんた、また冴えない眼鏡に気持ちが揺らいでる……なんて言うんじゃないでしょうね?」


押し黙ってしまっていた私に疑いめいた目で見てくる亜紀に、慌てて両手を左右に振った。


「そんなわけでしょ!?」


すぐに否定するも、いまだに亜紀は疑いめいた目で見てくる。


「ちょっと冗談やめてよね! 言ったでしょ? 鈴木主任に対する気持ちを。……それに心配して当たり前でしょ? 鈴木主任は上司なんだから」


少しだけ頬を膨らませ抗議すると、亜紀は大きく息を吐いた。


「こっちは心配しちゃうわよ。美月ってば恭様にドタキャンされたことより、冴えない眼鏡のことで頭がいっぱいって感じなんだもん」


「それは……そうなるじゃない。神さんには明日会えるし。それに――……」
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