次期社長の甘い求婚
そうだよね、神さんは今、必死に頑張っているんだ。
次期社長という重圧に負けないように、日々勉強している。


亜紀の言う通り、支えてあげられる存在にならないとだめじゃない。


鈴木主任のことがあって、不安になっている場合じゃないよね。



「ありがとう亜紀。大事なこと、忘れていた」


お礼を言うと、亜紀の険しい表情も解けた。


「それならよし! ……あんたのこと受け止めてくれる恭様のこと、大切にしなさいよね」

「……うん、分かってる」


鈴木主任が退職してしまうのは寂しいし、結婚も白紙になってしまって心配だけど、今日も言っていたじゃない。
後悔していないって。


私にできることは、笑顔で鈴木主任の門出を送り出してあげることだよね。

そのためにも、しっかり引き継がないと。
鈴木主任が今まで頑張ってきた仕事を――……。


そしてしっかりしないと。
神さんが大変なときに、不安がっている場合じゃない。


神さんのことを幸せにしてあげたい――。

ならなおさらだ。しっかりしないと。


それから亜紀と他愛ない話をしながら、帰路に着いた。
< 256 / 406 >

この作品をシェア

pagetop