次期社長の甘い求婚
「悪かったな、美月。昨夜はドタキャンしちゃって」

「いいえ、仕事なら仕方ないです。気にしないでください」


次の日の夜、二十時過ぎ。


神さんは約束通り自宅を訪れてくれた。

仕事が推していたのか、少しだけ呼吸が乱れていて、走ってきてくれたのかと思うと、胸がキュンと鳴ってしまう。


「狭いですけど、どうぞ」

「お邪魔します」


何度か送ってきてもらったことはあったけれど、神さんが家の中に入るのは初めてだ。


部屋の掃除はくまなくしたつもりだけど……大丈夫だよね?


神さんが興味深そうに部屋の中を見回すものだから、気になってしまう。


「えっと、すぐに夕食の準備しますね」


まじまじと見られているところを見ているのも気まずくなり、そそくさとキッチンへと入った。


1LⅮKの我が家は、カウンターキッチンになっていて、キッチンに入ったものの、リビングから神さんの視線を感じてしまい、動きがぎこちなくなってしまう。
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